2025年、世界最大の広告賞 カンヌライオンズ で金賞を受賞したのは
「ヘルペスの偏見をなくそう」というCM。
そのタイトルも挑発的でインパクト抜群です。
「ニュージーランドを、ヘルペスと共に生きやすい世界一の国に!」
最初はジョークのように聞こえますが、観終わると納得。
「大事な問題」にしっかり光を当てる、社会派のCMです。
本記事では、このCMの原文を日本語に翻訳し
背景にある意図やメッセージをやさしく解説します
気になる方は、ぜひ動画と一緒にお楽しみください!
タイトル | Make New Zealand the Best Place in the World to Have Herpes |
会社名 | NEW ZEALAND HERPES FOUNDATION |
制作エージェンシー | FINCH |
受賞歴 | 2025 カンヌライオン 金賞 |
🎬 豪華キャストが続々登場
CMの語り手は、元ニュージーランド代表ラグビー監督の サー・グラハム・ヘンリー
さらにニュージーランドを代表する顔ぶれをTV画面に映し
ユーモアたっぷりに、でも本気で「ヘルペスの偏見をなくそう!」と訴えます
・サー・アシュリー・ブルームフィールド
元保健省のトップ。新型コロナ対策で国民的ヒーローに
・アン・バトリー=バートン
“シャンパン・レディ”として知られるソーシャライト
・サー・バック・シェルフォード
伝説的な元オールブラックスのキャプテン
・ドクター・アンジェラ・ドラヴィッド
教育者であり社会活動家
・メア・モツ
文化的アイコンでタレント的存在
この多彩なキャスティングが、「国全体で偏見を打ち破ろう」という力強いメッセージを裏付けています
📊 背景にある問題
CMの中で強調される数字はこれ
👉 ニュージーランド人の5人に4人がヘルペスを持っている
決して珍しいことではないのに、偏見や恥ずかしさで語られることは少ない
だからこそ「笑えるくらいオープンに」話題にして、
スティグマ(偏見)をなくしていこう、という発想だと思います
Make New Zealand the Best Place in the World to Have Herpes
TV
“Make New Zealand the best place in the world to have herpes.”
Sir Graham Henry
Former Rugby Coach
“Hello, I’m Sir Graham Henry.
Once upon a time, the whole world wanted to be in New Zealand.
We had the World Cup, the clean green image, the sexiest accent on Earth—everyone wanted a piece of our pie.”
“But now look at us: the sheep-to-human ratio is embarrassingly low, pies are almost seven bucks, and our national pride is less than outstanding. In other words, it’s all ruck and no ball.”
“We need something new to be proud of—something bold, something brave, something that puts us back on the map.
It’s time for New Zealand to become the best place in the world to have herpes.”
TV
“THE HERPES DESTIGMATIZATION COURSE”
Starring Sir Dr. Ashley Bloomfield → Anne Batley-Burton → Sir Buck Shelford → Dr. Angella Dravid → Mea Motu”
Sir Graham Henry
“Four out of five Kiwis are counting on us—because no other country is strong enough to tackle this issue.”
As the former coach of the best team in the world at the best game in the world, I know what it takes to be the best.
With just a bit of education, we can beat the stigma.
Let’s make New Zealand the best place in the world to have herpes.”
TV
Complete the course & destigmatize herpes.”
テレビ画面
「ニュージーランドを、ヘルペスと共に生きやすい世界一の国に!」
サー・グラハム・ヘンリー
(元ラグビーコーチ)
「こんにちは、私はグラハム・ヘンリーです
昔、世界中の人がニュージーランドに憧れていました
ワールドカップも勝ち取ったし、“クリーンでグリーン”なイメージもあった
ニュージーランド英語は、世界一セクシーな響きだとも言われていた
みんなが“ニュージーランドのパイを食べたい”と思っていたんです」
「でも今はどうでしょう
羊より人間の数の方が増えてしまったし、
パイは7ドル近くする
国民の誇りはちょっと低め…
つまり、ラグビーで言えば『ラックはあるけどボールがない』状態です」
「だからこそ、新しい誇りが必要なんです
大胆で、世界にアピールできるもの
それが、“ニュージーランドを、ヘルペスと共に生きやすい世界一の国に!”なんです」
テレビ画面
「ヘルペス偏見解消コース」
出演:サー・アシュリー・ブルームフィールド、アン・バトリー=バートン、サー・バック・シェルフォード、ドクター・アンジェラ・ドラヴィッド、メア・モツ ほか
グラハム・ヘンリー
「5人に4人のキウイ(ニュージーランド人)は、
私たちがこの問題に立ち向かうことを望んでいます
他の国にはできない」
「世界最高のチームを率いてきた元コーチとして断言できます
“世界一になるために必要なもの”を私は知っています
少しの教育で、偏見は打ち破れるんです」
「さあ、“ヘルペスと共に生きやすい世界一の国!を一緒に作りましょう」
テレビ画面
講座を受講して、ヘルペスの偏見をなくそう
まとめ|笑いながら、考えさせられる
「ニュージーランドを世界一ヘルペスに優しい国に」なんて聞くと冗談に思えます
でもこのCMは、笑わせながらも 「性の健康と偏見」を真剣に考えさせるきっかけ を与えてくれます
広告が商品だけでなく、社会を変えるためのアクションになれることを証明した一作でした
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